GORS Botnet

                                           高野圭介

若さの源泉
人間には時折「悪い虫」がくっつくことがある。
「困った困った・・・」と言いながら、待っていることもある。
「嫌や嫌や・・・」と、同じである。
悪い虫があってこそ、裏人生の未知の部分が見えてくる。
探し続けている人生の恥部が覗けるのだ。

「へー、そんなことがあったの?」「まあ、何と!」
これが48歳の抵抗になったり、若さを保つ源泉になったりする。

「悪いやつじゃ」  
だいたい「悪いやつじゃ」というとき、
「ウイやつじゃ」「いかすガイ」といった「常人を超えた素晴らしさ」を
暗示することもしばしば。(例:鎌倉悪源太義平)


悪いやつ
哀しいかな、善人の見本みたいな私などには雲の上の存在である。

 
ボットに汚染
2006年師走の朝、突然、ニュースで報道された。
「今、日本中で40万台のパソコンがボットに汚染されている」と。


  
 
さて、ボット(bot)とは

「 ボットネットとは、悪意のある攻撃者によって構築され、
インターネット経由の命令によって遠隔操作をされてしまっているコンピュータ群のことである。

ボットネットという名称は「ロボット(robot)」のボットに由来している。

ボットネットは、パソコンを悪用することを目的に作られたプログラム(ボット)と、
ボットに感染したパソコン(ゾンビパソコン)により構成され、
 
1台のパソコンから数百〜数千台のゾンビパソコンへ指令を出し、
他人のコンピュータを攻撃する。

ボットネットで言われる「ボット」というのはウイルスの一種にあたり、
一度感染してしまうと、悪意のある攻撃者に自由に操作されてしまう。

このため、利用者は、知らぬ間にスパムメールやDDoS攻撃などの
「加害者」になってしまう恐れがある。」

 
   
バグや脆弱性
「ボットがパソコンのバグや脆弱性につけ込んで、侵入する」のは、
恰も「悪いやつが私の人の良さにつけ込んで、騙そうとする」のによく似ている。

思うに、碁のプロの先生と碁を打っていると、
白は私の碁盤上のセキュリティホールの弱みにつけ込んで侵入してくる。
不思議なほど、これに対応する手だてはなかなか見つからない。

Winny
折しも、Winny (ファイル交換ソフト)の作者金子勇氏が
著作権法違反の罪で問われている。

有罪なら、ソフト開発の足かせになるし、
無罪なら、6時間で1000億円の損失を出したという、違法利用の放置になる。

争点はこの点にある。


利点と欠点
つまり、あらゆる技術には常に利点と欠点が付きものである。

私ほどの善人(自分で言うから間違いない)が「悪いやつじゃ」と言われた場合、
私はやはり嬉しさ半分、哀しさ半分。
否、むしろ、悪いやつに願望を抱くのである。



金子勇氏


上記の翌日(2006年12月13日)金子勇被告は有罪となった。


開発されて時、世界最先端の技術と評価されていたものを。

 金子被告は
「ウィニーは有用な技術で、将来、その技術は評価していただけると信じている。
しかし、開発するだけで、著作権法違反の幇助罪となるのか。」と嘆いている。


「ソフトウェア技術者連盟」の新井俊一理事長は
「ソフトの技術発展が阻害されてしまう」と危機感を募らせている。


一方、ウィニーを通じて、
著作権が損害を受けている実態は続いていて、変わらない。
違法コピーと情報流出の被害は止まることはない。
対応は追いつけないのが実態である。


現在、ウィニーの利用者は10〜15万人と推定され、
日本政府は6億円をかけて、対応ソフトの開発に取り組んでいるという。


碁の悪知恵
今、大いなる希望と願望に燃えている。

例によって、GORS Botnet を完成し、
遠隔操作で、プロの先生の、あの、
碁の悪知恵(悪は強い意味)だけを無断で導入したいのだが、

法に阻まれ、うまくいくかどうか、怪しいものだ。